四次元意識と、五次元意識の大きな違いは、「一本のタイムラインに意識が束縛されているか否か」という点である。

今この瞬間の物理的な感覚にのみ意識が向いていたのが三次元意識である。その意識の範囲が少しずつ過去と未来という時間方面に拡大していくことで四次元意識が得られる。

その意識は幼児期に発達を始め、以後それは、その人の望むだけ成長し続ける。四次元意識が成長すればするほど、過去から未来へと続く因果関係の流れを広範囲に認識することができるようになる。

だがどれだけ四次元意識が発達しても、それは一本のタイムラインの外に出ることができない。それはいわばビジュアルノベルのひとつのルートの外に出ることができないプレイヤーのようなものだ。

一方、五次元意識とは、「タイムラインはひとつに束縛されておらず、無数の可能性が今この瞬間に重ね合わされて存在している」という認識をベースとする意識である。

この認識に至るための具体的な方法として、自分の人生のタイムラインを、ひたすらヒーリングしていくという行為が挙げられる。

ヒーリングとは、自分の主観的感覚の中で、特定の知覚対象に対し、ぐしゃっと結びついて硬い結節を作っている思考と感情と感覚を解きほぐし、それらをゲシュタルト崩壊させることである。

具体的には、過去の記憶Aというものを、ある人が知覚したとき、そのAに対する意味感覚がその人の中に自動的にたちあらわれる。そのような自動的に生起する意味感覚は、その人が持つ思考と感情と感覚の複合回路によってジェネレートされている。

過去の記憶Aと、その記憶に対する意味感覚、これこそが、その人の人生のタイムラインを作るパーツである。そのパーツに基づいて、そのパーツに適応する因果関係が、その人のタイムラインの線上に機械的に並ぶことになる。

過去の記憶Aに対する意味感覚を、ひとつの限定された意味から解き放つことがヒーリングである。

それによって過去は癒され、その記憶には、新しい、より高い自由度を持つ意味が自動的に付与される。そこから因果関係によって導き出される未来には、それまで存在していなかった、新たな自由度が付与されている。

このように過去の記憶をひたすら癒していくことにより、自分の人生のタイムラインを過去から自由にし、未来をより良いものにアップデートしていくことができる。また、その果てに五次元意識がある。