この「自分」という存在を、ひとつのエネルギー処理装置として捉えることができる。
それは入力されたエネルギーを、より精妙なエネルギーか、より粗雑なエネルギーに変換して出力する。
入力されたエネルギーを、精妙なエネルギーに変換して出力することができた場合、その装置は周囲に精妙な明るい質の世界を生み出す。
その逆の場合には、逆の結果が生じる。
このような入力と出力のサイクルこそが人生である考えることができる。
入力されたエネルギーがどのように変換されて出力されるかは、その装置が持っているエネルギー変換システムの構成にかかっている。
エネルギー変換システムをアップデートして、どのような粗雑なエネルギーであっても精妙なエネルギーに変換する力を得るのが、各種のインナーワークの目標のひとつである。
だがここでは、出力の質を上げることではなく、入力されるエネルギーの質を選ぶことに焦点を当てて考えてみたい。
粗雑なエネルギーを自分に取り込み、それを苦労して、精妙なものに変換するよりも、最初から精妙なエネルギーを自分に取り込んだ方が、より簡単により精妙なエネルギーを発することができる。
つまり質の悪い材料を使っておいしい料理を造ろうとするのではなく、新鮮で質の高い材料を使って料理をした方が、簡単においしい料理を造ることができるということだ。
そのためには食材の善し悪しを意識的に選ぶ必要がある。そして自分に取り入れるエネルギーの種類を刻一刻と新しくしていく必要がある。
新しい食材、すなわち自分にとってより良いエネルギーとはどんなものだろう。
それは自分にとって何かしらプラスの作用をもたらす。それでいてそれは、自分というシステムに適合させることが容易で、それを取り込むことが簡単なエネルギーである。
それはまだ気づいていないだけで、すでに至る所に存在している。
そういったものが自分の生活の中に存在していることに気づき、それに接し、それが持つエネルギーを吸収することで、自分の生活は急速にアップデートされていく。
そんなものを見つけるための一つのガイドラインとして『軽いエネルギーを選ぶ』というものがある。
精妙なエネルギーは、自分にとって、軽く感じられるものの中に存在していることが多い。
軽さとは、重さの反対である。
それは努力や苦労を必要とせず、すっと自分の中に入ってくるものである。
それは自分にとって処理しやすいエネルギーであり、自分というシステムに適合するエネルギーである。
だからそれは自分にとって軽く、スムーズに、自然に、自分の中に入ってくるものである。
そういったものは、まだまだ生活の至るところに隠れている。
あるいはすでに目の前にある。
もしかしたらそれは、今、目の前にあるのに、何年もそれを自分の中に取り入れることなく、スルーしてきたものであるかもしれない。
まだめくっていないカードを興味本位でめくるように、生活の中の、隠れた軽さを見つけてみよう。自分の生活をアップデートするために。