欠乏感を動機とした活動によって、真に新しいものを生み出すことは難しい。

欠けたモノを埋めようとする行為の動機はネガティブなものであり、そのネガティブさに突き動かされた行動は、新たなネガティブさを生み出すからである。

仮に、自分を埋めてくれるはずの何かを手に入れることができたとしても、心の穴は常に新しく心の中に空き続ける。

よって、欠乏感を動機とした前進は、新しい場所に到達しているように見えて、実はループを描いている。

自分の中に欠けたモノを得るために苦闘し、欲しかったモノをついに得たとしても、また新たな苦闘を繰り返すことになる。欲望の対象となるモノの形は移り変わっていくかもしれないが、その苦闘のパターンは本質的にはすべて同じであり、それは前進に見えてループである。

このような空しいループから効率的に抜け出すには、心の中にあるネガティブさ、つまりなにかしらの欠乏感をダイレクトに埋めてしまうことである。

何によって埋めるかと言えば、『愛』や『光』といったもので埋めるのが望ましい。そのようにして心の穴を埋める作業を「ヒーリング」と呼ぶことができる。

基本的にヒーリングは創造のための準備的な作業である。それは穴だらけの荒れた土地を整地するようなものである。

心の穴に愛と光を流し込むことでそれを本当に埋めることができる。

愛と光は高次元の世界から無限に供給されるため、それはどんな深い穴も埋めることができる。

穴を埋めるために必要なのは、天から降り注ぐような、無限かつ無償な心の栄養である。そのような心の栄養を総称して『愛』と言う。またそのヴィジュアルイメージは『光』である。

愛と光によって心の穴が埋まると、心の空間は平らに、フラットな状態に戻る。そのとき、心の欠乏感が生み出す無用な苦闘のドラマは消滅する。

その凪いだエネルギーの平衡状態の上に、かつて見たことのない新しい何かを生み出していくことが可能となる。

真新しいキャンバスに、新しい絵の具で、本当に自分が描きたかった絵を描けるようになる。