今では瞑想が趣味の私であるが、十年前は五分と目を閉じていることができなかった。目を閉じるとさまざまな考えごとに襲われ、気が散ってしまうのである。まともに瞑想らしきものができるようになったのは、『奇跡のコース』のワークブックで、一年がかりのワークを続けたことによる。2008年ぐらいのことだったか?

そこに書かれていたのはかつてどのようなジャンルの本でも見たことのない、ユーザーに優しい、心の制御を自分自身に取り戻すためのワークだった。それは人間に作れるレベルをはるかに超えた高く奥深い体系を感じさせるワークで、ふわっとした優しい手に導かれるように、それをやる自分が一日ごとに進歩して行くのが感じられた。

奇跡のコースのワークブックはとても気に入ったため、あとでもう一年、繰り返した。その後もさまざまなワークがちょうどいいタイミングで私の前に現れ、それを楽しんでやっていくうちに瞑想という行為についてはかなりの自信がついてきた。自分自身でも瞑想コンテンツを作りたいと思うほどに。

RPG的たとえで言えば、瞑想というスキルツリーは、他のあらゆるスキルツリーの各スキルの能力を底上げする効果を持っているとともに、それ自体が攻めにも守りにも使える、現実的な効果を持つアクティブスキルの集合体である。まさに現代人必修のスキルツリーであると思う。またそれは、自分の心の内側という、まだ未開拓のコンテンツの宝庫へのアクセスキーを提供するものである。娯楽に飢えた現代人の飢えを癒す、とても面白いものがここにある。

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