スピリチュアルな生き方とはどんな生き方だろうか?
結論から言えば、『スピリチュアルな生き方』が、どんな生き方なのか、それを客観的に表すことはできない。
それはあくまで内面の状態によって判断されるものである。だから、どのような行動がスピリチュアルな行動なのか、外からは規定することができない。個々人が、個々人の内部でのみ、それを主観的に知ることができる。
『スピリチュアル』とは『スピリット的』という意味である。
ではspirit スピリットとはなんだろうか?
ここで『スピリット』という言葉が意味しているものを、日本語で表すのは、実はとても難しい。日本語にはそれをピタッと表す単語が無いのではないかとも思える。
日本語で霊などと書けば、それはスピリットというよりも、幽霊、つまりゴーストを連想しがちではないかと思う。だが、スピリットと、幽霊は、物凄くかけ離れたものである。
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『スピリットとは、自分の心の中、その一番奥、あるいは一番高い部分にある自分のことである』と、取りあえずは言うことができる。
自分の心を『下』と『上』に、空間的な広がりを持ったものだと考えてみよう。
そのとき自分の日常的な意識は、心の下部に存在している。
一方、自分のスピリットは、心の一番上部に存在している。
そのようなイメージで心というものを認識したとき、スピリットとは、心の一番、高い部分にある、自分の心の一部であると考えることができる。そして、自分の日常的な意識と、自分のスピリットとの間にある距離は、距離にして数メートルほど離れている、と比喩的に表現することができる。
この映像的な比喩表現に従って、今、自分の日常的意識が、脳の中に入っていると想像していただきたい。
そして、自分のスピリットは、その数メートル上空に存在していると想像していただきたい。
そのような、上の方に浮かんでいるスピリットと、脳の中に入っている自分の日常意識を、何らかの方法で連結すること。そして、スピリットから脳へと送られてくる、かすかな、それでいて極めて興味深いアイデアや直感に、自分の日常的意識を従わせて生きること。
これが、スピリチュアルな生き方である。そして、自分のスピリットの声に耳を傾けることが瞑想である。
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スピリチュアルな生き方とは、ただ自分の心の中の、もっとも高いポテンシャルを持った部分に従って生きるということだ。そして、その高いポテンシャルを持った、自分の心の一部分に、積極的に耳を傾けようとすることだ。
なぜなら、そうすることによって、人はインスピレーションを得ることができるからである。in-spiration インスピレーションとは、spiritのエネルギーが、自分の日常的な意識の中に入ってきて、日常的な意識によって把握可能なアイデアとして心の中に固体化することである。
そのインスピレーションを表現し、物理的な行動に移して行くことで、自分の中にある、自分の本質を、この三次元の物質世界に表現できるようになる。
目覚めるとは、そのようにして自分の本質を明確に認識し、それを鮮やかに表現できるようになることだ。
目覚めるためには、自分の心の中にいる、自分のスピリットに耳を傾ける必要がある。誰か他の人の声に従うのではなく、外部にある何かに従うのではなく、自分の心の一番奥、一番高いところにあるもののシグナルに従って生きることがスピリチュアルな生き方である。