この世界にある物語を抽象化していくと、『光と闇の戦い』というモチーフにたどり着く。
抽象化とは、形あるものの本質を抽出し、その本質にラベルを貼る作業である。この作業によって、それぞれまったく見かけの違う形を持つものが、実は『X』というひとつのラベルによって表すことができる、ひとつの同じ本質を持ったものだということがわかる。
そのようにこの世界の中にあるすべての物語の本質を抽出してゆくと、それらは『光と闇の戦い』というひとつの抽象概念、アイデアを共有しているということがわかってくる。
『光と闇の戦い』とは何なのだろう。
光とは高次元性を表し、闇とは物質性を表している。
では戦いとはなんだろう。
戦いとは、エネルギーの浸透とそれへの抵抗を表している。
これは四次元のレベル、アストラルレベルに存在する物語類型の一つであり、我々はこの物語類型から創造された、より具象的な物語パーツに取り囲まれている。
そのため、『光と闇の戦い』と、それから派生する物語以外の物語を想像することができない。
しかし、『光と闇の戦い』という物語類型も、よりひとつ上の次元から見た時、選択可能な、あまたある類型のうちのひとつである。
『光と闇の戦い』、これ以外の物語を見出し、選択せねばならない。
それは、我々が生きている現実のカーネルを取り替えるということである。
それは、我々の心のオペレーティング・システムの基底部分で稼働し、我々の精神構造を形作っている土台を取り替えるということである。
光と闇の戦い、それはもう、古い。
古いものは解体せねばなるまい。
そして新しいものを見出して、それととっかえる必要があるのだ。