未消化の感情はすべて自分の中に蓄積されている。たとえそれを思い出すことができなくても。

言葉が話せないころの乳幼児期の感情までもが、それが未消化なものであれば、未消化のまま、自分の中に滞り、溜まっている。

感情が溜まっているということは、どこかに溜まる先があるということだ。どこかに感情保管庫のようなものがあり、その中に未消化の感情が保存されているということだ。

そのような、感情の保管庫を、瞑想・ヒーリング用語では、感情体、エモーショナル・ボディなどと呼ぶことがある。

そういった構造を瞑想の中で認識することができ、そのような目に見えない体に瞑想の中でアプローチすることによって、目に見える具体的な変化を自他の中に起こすことができる。

この感情体、エモーショナル・ボディは、先日書いた思考体、メンタル・ボディと対をなす存在である。

感情体、思考体、これら二つの目に見えない体に、肉体の設計図であるエーテル体を合わせた三つを、「パーソナリティを構成する低位三体」などと呼ぶことがある。

肉体の上に、この三つの目に見えない体がレイヤーのように重なっているイメージで想像するとわかりやすいかもしれない。

この三つの体は相互に緊密に影響を与えあう。メンタル・ボディに何かしらの変化が生じたとき、他の二つの体にも何かしらの変化が生じる。その逆もまた然りである。

ヒーリングテクニックの種類によって、低位三体のうち、どの体に主にアプローチするかが変わってくる。

ダイレクトにエーテル体にアプローチして心と体の不調をどうにかしようとするものもあれば、観念の書き換え、あるいは感情の癒しを主眼に置くテクニックもあるだろう。

だがなんにせよ、低位三体の中の何かしらを癒したり、高いヴァイブレーションにアップデートしていくためには、ひとつ不可欠な要素がある。

それは高次元の存在と繋がるということである。
その高いヴァイブレーションのエネルギーによって、低位三体に、上向きの変化を起こすことができる。

高次元の存在と言っても、各種瞑想・ヒーリング体系によってその呼び名や、種類はたくさんある。

・聖霊
・ガイド
・天使
・アセンデッド・マスター
・ハイヤーセルフ
・魂(ソウル)
・霊(スピリット)
・すべてなるもの(All That is)

こういった存在と繋がった上で瞑想あるいはヒーリングすることが、あらゆる現代瞑想・ヒーリングテクニックの根幹をなしている。

高次元の存在、あるいはエネルギーと繋がることが、現代瞑想、現代ヒーリングテクニックの、最も大事な部分であり、それ以外のことは枝葉末節と言える。それはさておき、今回の記事のテーマは感情を癒すことなので、それについてもう少し書いてみよう。

自分の中の未消化の感情を癒すに当たっても、それを自力でやることは極めて難しい。というか完全に自力のみで自分の感情を癒すことは無理なのではないかと思う。

なぜならそれは、過去、自分の意識的か無意識選択によって、感じないことにしよう、見ないことにしようと選択し、自分の奥深くに埋め込み、隠した感情だからである。自力ではその存在を思い出すことすら難しい。

しかしそれは、自分の中の、高次元のエネルギーの力の助けを借りることによって、完全に癒していくことができる。

その癒しの過程では、自分がこんなにも感情を未消化のまま溜め込んでいたことに驚くかもしれない。

忘れていたと思っていた古い感情のすべてが自分の中にストックされていたことを知り、人間の潜在能力の凄さに驚くかもしれない。

その押し込められ圧縮された感情は、おそらくは怒り、悲しみ、絶望感、無力感、憤りといったネガティブなものである。

だが、それらがどれだけ強く硬く暗いものであっても、春の日差しに照らされた雪のように、速やかに溶けていき、完全に消化されていくことができる。

そして、低く重いヴァイブレーションの感情が消化されて、空いたスペースには、楽しさや嬉しさや安心感や喜びといった、高く軽やかなヴァイブレーションの感情が満ちていく。

そのような癒しを得るために必要なのは、自分の中の高次元のエネルギーと繋がることである。そのエネルギーは誰の中にもあり、望むことで、それと繋がることができる。