ハートは回転している。

ワクワクすること、情熱が感じられること、ドキドキすること、怖いけど自分を前へと進めること、そんなことをすれば、ハートの回転速度は高まっていく。

その回転速度が一定以上に達した時、この小さな体の中のハートは、自分のより大きな部分、魂の回転と同期を始める。魂の回転と同期を始めたハートは、物凄い勢いでエネルギーを吸収し、放射し、回転し、上昇を始める。

そのとき人生の中に終わりのない上昇の螺旋が作り出される。

人間はコマのようなものだ。それは回転する必要がある。

回転しなければ倒れてしまう。回転すれば軸が保たれる。

常に回転していなければならない。回転するためのエネルギーを自分に与えなければならない。

回転するためのエネルギーとなる行動は、ありとあらゆるワクワクする行動である。どれがワクワクすることで、どれがそうでないかは、完全に主観的なものであり、そこに社会的基準を当てはめて考えることはできない。

ワクワクすることを探し、それを実行するとは、自分と対話し、自分との対話によって内から湧いてきた洞察を信じるということである。

それは自然になされることではない。

自分の内側を探り、自分が何にワクワクするのかを発見するには、ときに、時間を取って、ノートに書き込みをしながら、頭を捻って自分の人生の記憶を幼少期から洗ってみる必要があるだろう。自分の人生の年表を作り、各時代で、自分が好きでやっていた行動を思い出し、書き込んでいくのだ。

そのようにして見つかったワクワクする行動の中で、最近やっていないものがあったら実行してみる。

次に、本当はこんなことがしたいけど、まだやったことがないワクワクすることリストもノートに書き出してみる。できれば五十個ほど書き出してみたい。なぜそんなに多く書くかというと、書けば書くほど潜在意識の奥から思いもよらなかった答えが出てくるからである。

このようにして出てきたリストの中で、一番ワクワクし、なおかつ実行可能なものを、三日以内に実行してみる。

ワクワクすることはあるのだが、どうしても今の状況でそれが実行できない場合は、実行可能なレベルにまで、そのプロジェクトを細分化、あるいは簡易化してみるといいだろう。

世界一周旅行がしてみたい、という夢があったとする。それを想像するとワクワクするとする。しかし、今の自分が、たとえばヒキコモリであったり、お金が五円ほどしか無かったりする場合、即座に旅行に出かけることは難しいだろう。

その場合は、まずは家の外に出てみるとか、本を売って百円を得、それを貯金箱に入れる、などという行動をするのだ。これが、プロジェクトの細分化、簡易化である。

ワクワクすることは、一連の細かい行動の集合である。

たとえそれが巨大な山を創るようなプロジェクトであったとしても、今すぐできるひとつの行動にまで、それは細分化、簡易化できる。

また、細分化、簡易化された行動であっても、それを実行した時、それはワクワクすることの一部分であるから、それを実際に実行した時、その人のハートにはエネルギーが注ぎ込まれ、その人のハートの回転速度は上昇する。

ハートの回転は、時間が経つと、自然と遅くなっていく。

だから、定期的に、ハートにはエネルギーを注ぎ込まなければならない。ワクワクすることを実行することによって。

そのために、定期的に、できれば毎日、何かしらのワクワクすることを、一分でも実行すべきだ。

世界一周というワクワクするプロジェクトがあったとして、だが今現在、家から出ることもなかなか億劫だという現状が仮にあるのだとしたら、その人は、まずは五日間連続で外に出かけてみることを始めるといいだろう。そして土日は休み、また翌週は、もうちょっと長時間、あるいは遠くまで、五日間連続で出かけてみる、などという行動をするといいだろう。

まとめると、

  • ワクワクすることを見つける。
  • それを自分にとってちょうどいい難易度にまで細分化、簡易化する。
  • 継続的にそれを実行する。

これによって、ハートの回転速度は、少しずつかも知れないが、着実に高まっていく。

その回転速度、そのスピンを、最初のうちは認識できないかもしれない。だがいずれハートに火がつき、すべてが変わり始めるときがくる。そのときまで、自分の回転速度を高めるための行動を、実行し続けるのだ。