昔、変化とは、様々なドラマの中で、死ぬような努力の果てに、まさに死と再生によってやっと生じさせることの出来る、とても大変なことだった。あるいは、とてつもない長時間、砂を噛むような反復的な努力を繰り返すことによってやっと身につく何かだった。

今、より楽な変化のための方法が存在している。

それは並行現実へのシフトだ。

説明しよう。

この現実は、あまたある現実の、ひとつのヴァージョンである。

それぞれのヴァージョンには、少しずつ違う自分が生きている。

このたくさんの世界の中から、自分が体験したい世界を、あたかもトランプのカードの山の中から、好きなカードを一枚、抜き出すように選択し、それを自分の現実とすること、それが並行現実へのシフトである。

具体的なやり方はこうだ。

まずは、自分が移行したい現実へ、移行するためのドア、ポータルを心の中に作る。

そのポータルは、特定の感情、イメージ、思考パターンの組み合わせによって構成された、心的体験のパッケージである。

自分が移行したい現実へと移行したとき、どのような人生を送ることができているのかを、心の中でリアルに、ありありと想像しよう。どんな出来事を体験したいか、どんな感情を体験したいか、周りにはどんな人、物、があるか、などなどを、できるだけ鮮やかに想像する。そしてその想像を、一人称で、体験してみよう。

この心の中での想像体験が、並行現実へと移行するための、ポータルである。このポータルをできるだけ強力に、鮮やかに、心の中に設定し、そのポータル内で、移行したい現実のエネルギー、雰囲気を、体験すればするほど、次第にその並行現実へと移行していくことが出来る。

人は通常、無意識下でこの並行現実移動というものを行なっている。無意識的に行なっているため、これを意識によって制御できていない。そのため、人は通常、惰性によって、同じような現実ばかりを経験する。

惰性によって、同じ現実ばかりを、何度も何度も体験してしまうのは、以下の様なシステムによる。

人が、現実から特定の体験を入力される。

その人が、その体験に対し、Xという感情的、思考的反応を自動的に出力する。

Xという感情的、思考的反応が、ポータルとして機能し、Xの雰囲気を伴った現実へと、その人をシフトする。

X的な雰囲気を持つ世界をその人は体験し、X的な体験をその人は入力される。

その人は、その体験に対し、またXという感情的、思考的反応を自動的に出力し……。

というふうに、無限ループが続く。

これがいわゆる、カルマの仕組みである。

現実で、何か嫌なことが起きた時、その嫌なことと同じフリークエンシーを持った、思考、感情、イメージ、エネルギーを、心に自動的に想起し、それをその人が心の中に維持したとき、その維持された思考と感情とイメージのパッケージは、ポータルとして機能し、また同じような雰囲気の物事が起こる現実へとその人を連れて行くということである。

こうならないようにするには、単に、自分が望む現実をイメージし、それを心の中にキープするだけでいい。

自分が望まないものではなく、自分が望むものを、心にキープするのだ。そうすれば、それはその人を、その人が望む現実へと連れて行くだろう。それによってその人は、スムーズに世界と自分が変化していくことを体験するだろう。

 

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