人間とは各種エネルギーをインプット、アウトプットする装置のようなものである。
自分を変える、自分が住む世界を変えるとは、インプット、アウトプットされるエネルギーの種類を変えるということである。
望ましいエネルギーを取り入れ、望ましいエネルギーを出力しようと意図的に思うことによって、扱うエネルギーに変化が生じ始め、それによって次第に自分が扱うエネルギーの基本レベルに変化が生じてくる。
ここで問題なのは、『エネルギー』というものは、それが被っている見た目によってその種類を判断することは難しいということだ。
一種の美辞麗句によって飾り付けられている、極めて低いエネルギー、というものが世の中にはあふれている。
そのエネルギーを取り入れた者の自由度を増すことを約束しつつ、その者のメンタル・ボディに制限を貸すようなパターンを持ったエネルギーは、そこら辺、至る所に漂っている。
また我々はそのような、制限的なエネルギーこそが我々に必要なものであるという教育を受けている。
そのため我々は、それを取り入れることによって自らに足かせや首輪をはめることになるようなエネルギーを二十四時間、探しまわり、それをせっせと己のエネルギー・フィールドの中に取り入れる、というような非合理な行動をしがちである。
そのような低いエネルギーを発散しているものを見分けることは、自分自身が低いエネルギーを発しているさなかにあっては、極めて難しい行為であるかもしれない。なぜならそれらは、自分自身と同調する周波数を発しており、それは見慣れた、親しげなものに感じられるからである。
自分のメンタル・ボディ、エモーショナル・ボディが低波動のエネルギーによって満たされているとき、似た波動を持つエネルギーを取り入れることは、万年床の湿った毛布に包まれるような、ある種の心地よさが感じられる行為なのかもしれない。
しかしそれが本当は気持よくないことは明白である。さっぱりとした布団の方が本当は快適だ。しかしあなたはその、『さっぱり』さを想像できるだろうか。
もしかしたらあなたは地の底、闇の中において多くの生涯を重ねてきたかもしれない。その重みの中であなたのパーソナリティを構成するエネルギー・フィールドには、湿った、ギザギザした、数多のエネルギー・コードが突き刺さっており、絡まっており、それはあなたに淀んだエネルギーを流しこんでは、その見返りとして、あなたの美しい生命エネルギーを奪っていく。
そのようにして淀んだエネルギーを与えられ、美しい生命のエネルギーを奪われる行為、それをあなたは『娯楽』であり、それをすることが『息抜き』『気持ちよさ』であるとさえ感じているかもしれない。
そんなことがありえるのだろうか?
そんな不可解な、上下、善悪、正誤をまったく逆転するようなトリックに、人間という素晴らしい知性を持った存在が騙されるなどということがありえるのだろうか。もちろんありえるのである。
なぜならあなたはエネルギーそのものを知覚し、見分けるための、大切な心の目を封じてしまったからだ。そして物理的な目のみが本当の目であるという観念を学習し、それによって、物理的な目に見えるもののみが本当に存在しているものであるという観念をも学習してしまったたからだ。
だからあなたはエネルギーの内容そのものを、もはや自分自身で認識、区別することができない。エネルギーに貼り付けられたレッテル、ラベル、皮、包装紙、ガワのみが、あなたの肉体の目に映るのみであり、その内容物、エネルギーとしての本質を知覚できないあなたは、包装紙の奥に『エネルギーの本質』などというものが存在しているなどとは信じられず、だからあなたは包装紙に描かれている言葉のみを信じることになる。
その包装紙には『これはあなたにとって良いものです』と書かれている。
あなたはそれを信じ、その贈り物を受取る。そしてあなたはより重くなり、疲れゆく。
しかしこのようなことは、もう終わった。
これ以上、この世界に、重いエネルギー、闇のエネルギーは増えない。偽の売り文句が書かれた包装紙に包まれた、重いエネルギーのパッケージは、しばらくは世界に流通を続けるだろう。だがその総量はもはや増大することはなく、次第に減少し、いつの日にか消滅するだろう。
なぜなら重いエネルギー、闇のエネルギー、それを創造していた製造者がその製造と供給をやめたからだ。供給されたまま、未だこの世に流通してている闇のエネルギー、それも次第にこの世界から消えていき、跡形も残らなくなるだろう。
だからそのことはもう、考えなくてもいい。欲しくないもののことはもう考えなくていい。重いもの、疲れさせるもの、不安にさせるもの、恐れさせるもの、それについては、一切、考えなくてもいい。
今、早急に考えるべきなのは、自分が何を欲しいかだ。
心の中で、自分が本当に欲しいエネルギーを想像できるだろうか。
もしほんの少しでも、自分が欲しいエネルギーを想像できたなら、それは創造することができる。
心の中で、自分が欲しいエネルギーを想像したそのとき、あなたは心の中からそれを汲み出し始めている。
あなたが自分の心の中から汲み出したエネルギーは、次第にあなたの中に宿り始め、同種のものを外からも呼び寄せ始める。
そしてそれは、あなたのための新たな世界を作る材料として使われ始める。そして、あなたは自分の周囲に、もしかしたら光の繭のように、豊かさの光を、喜びの光を、面白さの光を編み上げ始めるだろう。その光の網は、他の人が編み上げた光の網と接続され、いつしか強固な光のグリッドラインとしてこの世界に、肉体の目にも見える形で顕現するだろう。