この「自分」というシステムには「ヴァイブレーション」という隠しパラメータが存在している。実はそれはまったく隠れてはおらず、意識の前面にいつでも露わになっているのだが、現代人においては、「自分のヴァイブレーションの状態に関する情報を全無視すべし」というプログラムがそのマインドにインストールされていることが多い。そのため、自分のヴァイブレーションが今現在、どのような状態にあるのかを意識的に認識することは難しい。

ちなみに、まぜ日本語で「波動」と書かず、わざわざ「ヴァイブレーション」などというカタカナを使っているのかというと、「波動」という言葉は、なんとなく胡散臭い感じがして使いたくないからである。
だが本稿で書き表したい、自分という存在が持っている、とあるパラメータ、それはまさに、振動する波のような雰囲気を持っており、それを書き表すのに一番適切な言葉は、「波動」であると思われる。でもとにかく波動という言葉は胡散臭いから使いたくない……あ、そうだ、カタカナで書いたらいいのかもしれない。と、そういった私の中の葛藤の果てに、このヴァイブレーションという言葉の選択がなされてることをご理解いただければ幸いである。

ヴァイブレーションが上がっているときと下がっているときでは、同じ物事を見ているときでも、それに対する意味感、感じ方がまったく変わってくる。

  • 高いヴァイブレーション状態のとき
    • すべての物事に意味が感じられる
    • なんとなく何もかもうまくいく気がする
    • 適切な物事が適切なタイミングで自分に引き寄せられてくる気がする(そして事実、いろんな良いことがグッドタイミングで生じる)
    • いわゆるシンクロニシティが多発する
    • 自分の人生の方向性が直感的にわかる
    • 正しい方向性に導かれていると感じる
    • 互いを高め合う気持ちのいい人間関係に恵まれる
    • いつどのような行動を起こせばいいか具体的にわかる
    • そのとき手がけている各種プロジェクトについてのアイデアが刻一刻と湧いてくる

高ヴァイブレーション状態では、このような様々ないいことが起きる。それはいわゆる「ゾーン」「フロー状態」という言葉で表されている状態に近い。ではなぜフロー状態という言葉を使わずに、高ヴァイブレーション状態という言葉を使うかといえば、「高い」「低い」という、意識状態における上下の幅を認識するためである。自分の意識状態は、ヴァイブレーションという、目に見えない、上下するパラメータが司っている。そのような認識を持つことによって、そのパラメータを意識的に上げ下げ、調整することができるようになっていく。

ヴァイブレーションの調整、それは楽しい人生を送る上で極めて大事なスキルである。
なぜなら、ヴァイブレーションが低いときには、高いときとまったく逆のことが生じるからである。

  • ヴァイブレーションが低いとき
    • お先真っ暗な感じがする(しかもこのお先真っ暗さ感は、雰囲気的なものだけではなく、現状に対する現実的認識の結果、あるいは論理的な思考の帰結として感じられる)
    • 創造的なアイデアが何も浮かばない。あるいは、死ぬほどの努力やストレス状態の果てにやっと浮かぶ。そのためアイデアを閃くためには、ハードワークや、アルコールなどの助けが必要となる。
    • 生きているのが怖い
    • 食べ物、薬物、セックス、アルコール、ギャンブル、その他、何かに中毒的に依存しており、しかもその依存状態はだんだん深まっていく
    • 1日ごとに生活が悪化していくように感じられる
    • 身の回りに、互いを低め合う人間関係が存在している
    • その他いろいろ…

このようなヴァイブレーションの低さが恒常化した状態が、いわゆる鬱である。その意識状態で存在を続けることははっきり言って辛い。だがその状態から抜け出ることは簡単だ。意識のヴァイブレーションを高めればいい。ヴァイブレーションを高める方法は沢山ある。
たとえば、いわゆる「ワクワクすることをやる」ことによって、意識のヴァイブレーションは確かに簡単に上昇していく。

「ワクワクすることをやる」という生活方法は、習熟すべき、ひとつの技のようなものであって、何度も繰り返し練習して身に付けるべきもののように思われる。

ワクワクすることをやるには、この瞬間の自分の意識への繊細な気づきや、自分の日常的思考回路を無視する能力が必要である。
なぜなら今この瞬間、ワクワクすることをするには、まず一瞬でも心を静かにして、「今自分は何をしたいのかな」と自分の心の深い部分に質問をし、返ってくる答えに耳を澄ませる必要があるからだ。
また、そのとき返ってくる答えは、自分の普段の思考回路的にとっては、やっても無意味なこと、あるいは、やるべきではないことのようにさえ思えることがままある。そのような自分の思考回路が出すダメ出しを無視し、ふと浮かんできたやりたいことを、何も足さず、何も引かず、順番通りに実行していくことで、意識のヴァイブレーションは上昇していく。

逆に言えば、思考回路が出す、パターン通りのダメ出しに負け、直感的に浮かんできたやりたいことを、やらないで抑圧するという選択をするごとに、意識は惰性的パターンという檻の中に押し込められ、意識のヴァイブレーションは下降するスパイラルの中に閉じ込められてしまう。

まとめ
気分が暗いときは意識のヴァイブレーションを上げることを心がけよう
意識のヴァイブレーションを上げるには、そのとき自分が一番やりたいことを自分の心の奥に問いかけ、浮かんでくる答えをそのまま実行してみよう