瞑想や各種のインナーワークでは、一般的に、心を静かにして、何かに意識を向ける練習をする。
その練習の大きな目的のひとつとしてあるのが、「自分のソウルやハイヤーセルフと言った、自分の内側にある特定のエネルギーパターンに気づき、それと自分の日常的意識を意識的に結びつける」ということである。
その結びつき、そのチャンネルの形成を邪魔する要素として、心の壁というものがある。
ソウル
ハイヤーセルフ
心の壁
心の壁
心の壁
日常的意識
この心の壁が、高次元意識と、日常的意識の間に厚くそびえている。
その壁を何らかの手段で溶かし、薄く薄くしていけば、日常的意識と、高次元的意識は、だんだん近づき、一体化していく。
だがこの心の壁を溶かすには、日常的意識と、高次元意識の双方が協力する必要がある。
日常的意識が、まず心の壁を見つける。そして「これを溶かしてくれ」と、高次元意識に頼む。頼まれた高次元意識は、心の壁を溶かす作業を始める。その作業を邪魔せずにただ見つめていると、心の壁は溶ける。
このプロセスにおいては、信頼と委ねることが必要になる。
心の壁を、日常的意識によってなんとかしようとして、それを知的に分析したりすると、壁は溶けるどころか、むしろ厚みを増していく。
心の壁はエゴと呼ばれており、それは怒りや憎しみや悲しみや不安や恥といった重い感情と、さまざまな制限のかかった固い思考がぐしゃっと結びついてできた精神的質量によって構成されている。
その中にある重い感情を反芻したり、それを分析して、固い思考をさらにそこに付け加えることは、その壁の複雑さを増し、それをよりほどき難くしていく。
心の壁を溶かす作業は、慣れないうちはとても難しい。
*
難しい作業はひとまず置いておこう。
そして、心の壁を迂回するという方向性について考えてみよう。
ソウル
ハイヤーセルフ
心の壁||
心の壁||
心の壁||
日常的意識
『||』これが迂回路である。これは心の壁の脇を通り、下にある心と、上にある心を繋ぐパイプである。
重く厚い壁を掘り進むのは容易な作業ではない。それを掘り進むためには、実際問題、とても高度なメンタルテクニックが必要となる。そういったものを習得するためには多くの時間とエネルギーが必要だ。
そこで、心の壁の存在はとりあえず無視し、その壁の脇を迂回して、日常的意識とハイヤーセルフの間に、細くても確かに機能する、コミュニケーション・チャンネルを作ってみよう。
それは結構簡単な作業であり、楽しいものである。
それは具体的には、日常生活の中で、今このとき実行可能な、ワクワクすることを見つけ、それを実行していくというワークである。
ワクワクすることというのは、得てして五分で実行可能なことであったりする。海外旅行などという大々的なものでなくとも、ワクワクすることはどこにでも転がっている。部屋の中にもそれはいくつも転がっている。
ふと時間が空いたとき、いつもならスマホを覗いてしまうとき、一分だけ時間をとって、「今、実行可能な、一番ワクワクすることは何かな?」と自分に聞いてみよう。
きっと何か、かすかなひらめきがあるはずだ。
それはやっても何の意味もないように感じられる行動かもしれない。
それをやると、むしろ疲れそうな気がする行動が思い浮かぶかもしれない。
そういった雑念は無視し、閃いたことをさっと実行してみよう。
このワークにより、日常的意識と、超次元的意識の間に、迂回路が形成され始める。やがてその迂回路を通し、さまざまなアイデアや情熱が、上から下へと絶え間なく降り注ぐようになる。
またこのワークにより、鋭い直感と、それを実行する決断力が養われる。それはやがて、日常生活のさまざまな領域で、頼りになるナビゲーション・システムとして機能し始める。